HS ~ある双子の物語~ 前口上

 バーッ(開幕の合図)

 とざいとーざいー。

 カンカンカカカカカカカン(拍子木の音)

 こんにちは。Tomokoです。
 今回の話の語り手です。
 キャラの言動にツッコミをする役です。
 精一杯あいつとめますので、よろしくお願いします。

 イヨーッ ポンッ

 えー、これは何年も前から温めていたアイディアのひとつです。
 ハーレムとサービスの中身が入れ換わるというね、わりとありがちなものですが。
 良かったらおつきあいください。
 長くなるか短くなるかはわかりませんが。
 それと、この話は出たとこ勝負であります。
 まぁ、私の書く物語はみんなそうですが、先が見えない、というところがあります。
 ――嘘です。確かに先の見えない部分もありますが、だいたいの構想は練っております。
 でもま、手さぐり状態で進んでいく、ということで、お願いします。
 あ、それから、高松はもちろん出て来ます。
 ここで高松出さなきゃ嘘じゃないか、という気もしますので。
 ただ、高松については本当に、全くの未知数なんで。活躍してくれるといいな、と思ってますが。
「まぁ、アンタが私の見せ場を作ってくれるなら、思いっきり動き回ってあげますよ」
 だそうです。本当にそうなるかどうか知りませんが。
「アンタねぇ。その態度はちょっと無責任過ぎじゃありませんか?!」
 だって、こっちはそのスタイルで十年やってきたんですよ。今更変えろと言われても……ねぇ。
「わかりました。アンタにお任せします。ただ、ハーレムとかハーレムとかハーレムとか!……だけを贔屓するのだけはやめてくださいね」
 ぎくぎくうっ!
 あのね、あれは贔屓じゃないの。自然とそうなるだけ。
「そうですか。わかりましたよ」
 あ、どうも。
 今回の話は、ハーレムとサービスが主役です。
 昔は、サービスの方が好きだったんですよねぇ、私。
 サービス好きだった頃の思い出にでも浸りながら、のんびりゆっくり書くことにします。
 ハーレムとサービスが小学生の頃から、話は始まります。
 まだ双子が訣別していない時の話ですね。
 それに、二人がまだ可愛かった頃の話です。
「当然、私達も出てくるだろうね」
「ええ。マジック兄さん」
 うわっ! マジックさんにルーザーさん!
 そうですねぇ。ルーザーさんはまだ生きてますからねぇ。ぴんぴんしてますよ。
「当たり前だろう。僕を出さなかったら、どうなるかわかってるよね」
 わー、天使のような悪魔の笑顔!
「私も出演できるんだろう?」
 きゃあああ! こっちは秘石眼!
 もう既に、あなたがたも登場してますよ。
「何ッ! それはほんとかい」
「ハーレム、サービス、見てるかい?」
 見てると思いますよ。だって……。
「俺らが最後なんてふざけてんじゃねぇよ」
「大トリだと思えばいいじゃないか」
 あ、やっと本命登場。ハーレムくんにサービスくんです。
「なれなれしく、『くん』づけで呼ぶんじゃねぇよ」
 あ、失礼しました。
「僕は一向に構わないけれど……やっぱり様はつけてくれた方がありがたいよね」
 うーん。下手に出るふりして、ちゃっかり自分の意見は通す……この辺はやっぱりサービス様だなぁ。
「ちゃんと様づけしてくれたね」
 そう言ってサービス様、にっこり。
 でも、話の中では便宜上呼び捨てにしていいですか? お二人とも。
「うん。いいよ」
「ま、仕方ねぇか」
 じゃ、お二方の了承も得たことですし。
 早速始めますか。
 HS ~ある双子の物語~
 始まり始ま……あ~っ!
「んだよ、今度はっ!」
 オリジナルキャラが出ること言っておくの忘れてました!
「おお! そいつは言っておかなくちゃな」
「オリキャラ、嫌いな人もいるもんねぇ」
 えー、では、この話にはオリジナルキャラも沢山(多分)共演することになると思います。
 そういうのが嫌な方は回れ右!ですね。
「今更という気もするけど」
「まぁな」
 では、始めます。
 きりーつ、礼。
「またふざけてんな。おまえ」
 わかります?
「ちょっとは真面目に司会進行しろ」
 司会と言うより、語り手なんですがねぇ。
 まぁいいです。ハーレム坊ちゃんには逆らえません。
「とっとと始めなさいよー」
「やる気あんのかてめぇらー」
 客席の野次がうるさくなって来たので、今度こそ本当に始めます。はい。
「え? 俺達、登場シーンこれで終わり?」
 特別出演……客席のお客様方(語り手は怒らすと怖いんですよ。名前すら出さないんですから)。

HS ~ある双子の物語~ 第一話
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