ガンマ学園案内
ガンマ学園――総勢5360名のマンモス校である。初等部から大学まである。理事長はマジック元総帥である。校長は初等部、中等部、高等部、大学にそれぞれいる。例えば、初等部校長はリリー・マルレーンという女性である。
基本的にエスカレーター校である。中途入学も可。ただし、編入試験に合格しなければならない。
この学園は現総帥のシンタローとマジックが有り余る資金で建てた学校である。因みにこの学園の前身はガンマ団士官学校である。
前総帥マジックが食堂のおばちゃんをしているので、ファンがどっとつめかけることも少なくない。マジックの助手の山南ケースケもファンの一人である。
食堂の食事は美味しいと評判である。他校の人間もこっそりやってくることも少なくない。
初等部は、基本的に一人の教師が担当する。しかし、移動教室の時はこの限りではない。
ゲストに他の先生が来ることもある。その専門分野ではスペシャリストである場合も少なくない。この間は科学の先生としてジャンが来た。この時間の学習は好評であったと聞く。
生徒は、つい最近まで大学以外制服着用が義務付けられていたが、反発する者が多く出て、私服登校も可になった。勿論、制服を着ても良い。――制服は何種類かある。
レックス。この学校の生徒で、マジックの弟ハーレムの息子である。
初等部三年四組の生徒である。四組の学級委員長はバリー・ロンドン。学級委員はエリザベス・ホワイトである。担任はサトシ・フルミ。レックス、リズ、バリーをモデルケースとして、この校内のカリキュラムを案内しよう。
このクラスでは、放課後に漢字テストと英語の単語のテストがあり、どちらも5問ずつである。このテストは、「5問テスト」と呼ばれている。
5問正解の者は金のシール、4問正解だと水色のシール、3問正解はシールなし。正解が2問以下の生徒は罰として書き取り練習をさせられる。
宿題も書き取りが多い。国語の文章問題や視写、英語の文法の練習、算数の応用の問題などが宿題に多い。
希望すれば、課外の授業も受けられる。
日直は雑用が多い。しかし、頑張れば良い報告が上に届く。
成績優秀者には、それなりの褒美がある。学校でみんなの前で発表されたりもする。
初頭部・中等部にはひとり勉強ノートというものがある。それには、毎日2ページ書くことになっている。国語や算数、社会など、何でもいい。ただし、強制ではない。
リズ・ホワイトはこのノートに小説を書いている。彼女の将来の夢は小説家なのだそうだ。フルミ先生はそれを温かい目で見つめている。いつか、リズの小説を発表させてもらおうとフルミ先生は考えている。
バリーはテストではいつも一番を取っている。
ここでは、中間テスト、期末テスト、休み明けテストがある。
――レックスはいつも頭を抱えているようだ。
中間テストは5教科、期末、休み明けは9教科である。
5教科テストは国語・算数・理科・社会・英語。
9教科テストはそれに美術・体育・音楽・家庭科が加わる。
テスト結果は廊下に貼り出される。
レックスは体育は、実技は得意だが、筆記は苦手なようである。
リズは国語と美術と家庭科が得意。それにしても、何と言ってもバリーは特別である。テストで900点(期末テスト)を取ったこともある。年間成績優秀者として壇上に昇ったこともある。担任も鼻高々であろう。
この学校では、ちゃんと生徒達が掃除する。この掃除も綺麗にすればいい評価に繋がる。
レックスは総合ではクラスの真ん中ぐらいである。伸びしろはあるかもしれない。
体育はササキ先生が担当する。プールではレックスは50Mぐらい容易く泳げる。校内のプール大会に出たこともある。
今はパソコンも授業に取り入れられている。パソコンでプログラミングを教えたり、絵を描かせたりしている。――リズはパソコンで描いた絵を見た美術の先生に、イラストレーターになるよう勧められたことがある。
レックスとバリーはプログラミングが得意なようである。二人でゲームを作ったこともある。彼らは、サイトを作ったこともある。気が向けば更新出来るところが好きなようである。サイト文化はすっかり廃れてしまったが、また復活することをサイト文化愛好者として願ってやまない。――だが、それはレックス達には関係がない。
レックスは意外と英語のセンスがある。フルミはその英語力を伸ばそうしているが、レックスは飽きると寝てしまうところが残念である。
行事は文化祭・体育祭・球技大会などがある。
球技大会、運動会は初等部・中等部・高等部・大学でそれぞれ別々にやる。文化祭、体育祭などは合同でやる。文化祭のファイヤーストームは最早定番である。
ガンマ学園は文武両道を目指している。運動が駄目でも学習の成績が良ければ、また、その反対でも、この学園にスカウトされることがある。
一芸に秀でている者も、この学園に合格することが多い。
生活指導はリュウジ・ヤマダである。厳しい先生だが、かなり生徒に理解があり、顔もいいのでファンも多い。
保健の先生はナナコ・アライ先生である。この学校には保健室登校の者もいる。
この学校にはカウンセリングの先生もいる。ストレス社会だからね。レックスはストレスとは無関係かもしれないが。いろいろ相談に乗ってくれる。先生の相談相手もしてくれる。
初等部の学食は定員100名である。生徒の中には弁当の者もいる。給食にしたらどうか、という案も出ているが。
初等部の学食は、無料である。ガンマ団は金が余って潤っているから、学食にも資金を回せるのだ。いっそ全部の学食をタダにしたらどうかという者もいる。
ガンマ学園には寮もある。リッチな寮だと評判だ。ただし、初等部には寮はない。小さいうちは家族と過ごした方がいいという、現総帥の方針だ。
寮にも食堂がある。学食と比べても味は遜色ない――はずだが、初等部の学食には料理の天才マジックがいる。
寮は、中等部が定員150名、高等部が200名、大学部が500名である。
大学部が何でそんなに定員があるのか。大学に入ったら、やはり自由は欲しいであろう。
グラウンドは20㎞。部活は、野球部、サッカー部、バスケ部、テニス部などである。他にもたくさん部活がある。やはり人気があるのはサッカー部らしい。
文化部で特筆すべきなのは、合唱部がコンクールで金賞を取ったこと。それでガンマ学園には入学希望者がどっと増えた。吹奏楽部もなかなか頑張っている。
野球部では「目指せ甲子園」が目標となっている。
この学校には芸術科もある。我が校がいかに芸術に力を注いでいるかわかるだろう。
リズは、図画工作コンクールで優勝した。芸術科からもスカウトが来ている。
この学校には美術部の他に彫刻部というものもある。彫刻が好きな先生がわざわざ作った。
この学園にはいろいろ変わった部も多い。落語研究会。通称落研なんてものもある。
余談だが、漫研と美術部が力を合わせてコンクールで金賞をとったこともある。顧問同士が仲良しなのだ。
レックスは宇宙科学研究会というものに入っている。バリーも一緒だ。バリーは最初、物理研究会に入りたかったのだそうだ。
なお、漫研とイラストクラブは違う。何で違うのか、どこが違うのかは謎だ。
漫研が漫画で溢れているのに、イラストクラブは毎週金曜日しか漫画を持ってきてはいけない。しかし、イラストクラブのいいところは、先生が人の絵を批判しないところである。漫研はチェックが厳しい。
部活動は基本的に四年生からだ。でも、希望すれば、四年生以下でも許されることがある。
委員会もある。リズとバリーは図書委員会だ。レックスは清掃委員会。時々サボる。
放送委員会は自分の好きな曲をかけている。アニソンも多い。その中にすごいアニメオタクがいるらしく、マイナーな作品の曲を耳にして、ファンは歓喜の涙を流したと聞く。
生徒会。
生徒会には、生徒会長、副生徒会長、会計、書記がいる。
バリーはいつか生徒会長になるだろうと目されている。その時はリズは副生徒会長としてバリーを支えていくことであろう。ガンマ学園は安泰だ。
レックスも二人から生徒会に入らないかと言われてるが、レックスはめんどくせぇ、と断っている。
テストは30点以下が赤点である。赤点の生徒は補習を受けなければならない。レックスも最初はひどいものだったが、宇宙科学研究会に入ってからは勉強の面白さに目覚め始めたらしい。
宙科(宇宙科学研究会の略)は、頭が良くないとついていけないのだそうだ。
リズとバリーの存在も大きいであろう。
友達は大事にする。これはガンマ学園のモットーである。
ガンマ学園はいじめを許さない。いじめの問題が解決するまで、何度も話し合いをしたりする。時には夜遅くなることもある。
けれど、ガンマ学園の生徒達は大半がいい子である。
ガンマ学園には飛び級制度もある。レックスは、IQテストで高い知能を示したこともある。飛び級も期待されたが、本人はその気持ちはないらしい。
レックスは定期考査だけは頑張る。補習で学校に休み中行かなければならないのが嫌だからだ。
やる気はともかく、なかなか優秀な生徒ではある。
夏休み中はプールは解放されている。夏休みは生徒達が涼みに来る。
学校ではバーべキューパーティーもある。かなり好評だ。親や生徒から。
修学旅行は六年生が行く。五年生はグリーンキャンプに行く。
キャンプの料理は自分達が作る。テントも自分達で張る。生徒の自主性を伸ばす為だ。
修学旅行はホテルに泊まる。大抵海外に行く。資金の出せない者に対しては、学校が援助する。
奨学金制度もある。成績優秀な者は奨学金をもらう。奨学金は返さなくて良い。例え、ガンマ団系列の施設に就職しなくてもである。
ガンマ学園は行事が多い。悪いことをしている暇もない。
好評なのは文化祭や体育祭で、体育祭では、大学生の多いチームに小学生が混じることもある。その場合、その小学生は大抵才能を期待されている人物である。チームは自由に作って良い。
入学式の後にはオリエンテーションが待っている。ガンマ学園のことを知ってもらう為である。
教科書はタダ。学校に返さなくてもよい。だから、頭の痛いことではあるが、教科書を粗末に扱う者も出てくる。教科書は有償にしたらどうかという意見も出される。
体操着や絵の具なども無償。ただし、損壊・紛失した場合についてはこの限りではない。
この学園ではクローンの研究も出来る。しかし、ほんの一部の例外を除き、初等部の生徒はまず器具などには触らせてもらえない。
昔、ガンマ団士官学校の一人の生徒がクローン研究で大騒ぎを起こしたというが、真相は定かではない。
ガンマ学園の偏差値は高い。初等部の編入試験を突破したのだから、レックスも頭はいいのだろう。
留学制度もある。姉妹校への留学も出来る。カナダに行った生徒もいた。
初等部では、音楽・美術・技術家庭・書道・体育などはそれぞれ別の先生が専門にやる。
初等部の生徒達は大抵六年で卒業する。中等部・高等部は三年。留年制度はある。大学は、これはもう様々である。
ガンマ学園では聖書の話も勉強する。ガンマ団を知っている者は絶句する者も多い。併せて創造論も勉強する。視野を広くする為のものであるらしい。
だから、ガンマ学園の生徒は聖書を持っている。勉強が終われば捨てる者もあれば、始終大事に持っている者もいる。
優しい先生も厳しい先生もいる。ガンマ学園は学習時間はそれぞれの教師の采配に任せている。
敷地内には動物園や水族館もある。スキー場もある。
――生徒も先生も自由な学校。それがガンマ学園である。
「――これは何だ」
「は。ガンマ学園の案内文です」
シンタロー総帥はこめかみをトントンと叩いた。そして言った。
「お前ならもっといい案内文が書けるはずだ。よって全部書き直し」
後書き
これ書くの随分苦労したなぁ……。
ガンマ学園案内の著者はものすごく可哀想だなぁ……。
自分が少しは創作活動しているので、苦労はわかるのです……。
2019.04.12
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