浮気者には刑執行!
※18禁注意。読みたい方はスクロールしてください。





















































 シンドバッドは自分の部屋に帰ったし、モルジアナはマスルールと話しているし、ジャーファルは仕事に戻ったし――。
 アラジンとアリババは何となく二人きりになった。
「二人きりだね」
「ああ、そうだな」
 ――会話が続かない。
「これ、言っちゃった方がいいかな」
「何だよ」
「いや、言わない方がいいのかな」
「だから何だって!」
 秘密にされると気持ちが悪い。アリババはアラジンの全てが知りたいというのに。
「僕、知ってるよ。アリババくんとシンドバッドおじさんが何をやったか」
「な……何だって?」
「アリババくん、シンドバッドさんとイヤラシイことしてたでしょ」
 アラジン、ついこの間まで男女の営みのことすら知らなかったのに……。
(――何でそんなことわかったんだ!)
 アラジンはアリババの手を取って廊下をずんずんと進み始める。
「わっ、なんだなんだ?」
「いいから来て」
 アラジンは少し苛立っているようだ。
 アリババはアラジンの部屋に連れて来られた。
「アリババくん、僕のこと好き?」
「ああ!」
 アリババは力いっぱい頷いた。
「シンドバッドさんよりも?」
「ああ!」
「モルさんよりも?」
「あ……ああ」
 今度は少し間があいた。
「嘘つき」
「あ?」
「僕のことが好きなんて、嘘でしょ?」
 アラジンは大人びた顔を見せた。
(いつものアラジンと違う……!)
「俺は……アラジンがこの世で一番好きだ!」
「じゃあ、何でシンドバッドさんと寝たの?」
「それは……仕方なくというか、成り行きというか……」
「わかったよ」
 アラジンの返事にアリババは肩の力が抜けた。
 その途端、アリババが言った。
「浮気者」
「え……何だって?」
「浮気者にはお仕置きしなくちゃね」
「な……何をすればいい?」
 アリババが下手に出る。
「――抱かせてくれたら許してあげる」
「で、でも、おまえまだそいつ使えないだろ?」
 アリババはアラジンの股間を指差した。
「やだなぁ、アリババくん」
 アラジンはくすっと笑った。
「使えるに決まってるじゃない」
「あ、アラジン……」
 こいつはアラジンじゃない。何かもっと別のモンだ。
 アリババは体中が総毛だっている。
 アラジンは服を脱いだ。股の間には年相応の可愛い果実。アリババは安心した。
(なんだ、これなら……)
「アリババくん。油断しちゃいけないよ」
 アラジンの股間のモノが膨らんだ。それはアリババが見たこともないほど大きかった。
「え? ちょっと、それ入れるの?」
「うん」
 アラジンは事もなげに頷いた。
「さぁ……お仕置き始めるよ」
 アリババの衣類が次々と脱がされる。身につけていた剣も取り上げられる。アリババは目に見えない力に押さえつけられてどうすることもできない。
「不思議だね。アリババくんは小さいおっぱいなのに、どうして僕をこんなにどきどきさせるんだろう。まるでダンジョン攻略の時のようだね」
 何言ってんだ? こいつ――アリババは心の中で思った。
(アラジン……いつものアラジンに戻ってくれよ~)
 だが、アラジンは黒い笑みを浮かべると――
 アリババに受け入れる体勢を取らせて中へと強引に入って行った。
(さ、裂ける、裂ける~!)
「ああっ! ああっ!」
「いい声で鳴くね。アリババくん」
「痛ぇんだよ! おまえのシンドバッドさんのよりデカいんだから!」
 語るに落ちた。
「――許せないね。僕のを他の男のと比べるなんて」
 アラジンは腰を動かし始めた。
「うわぁっ! 痛い! 痛い!」
「そそるね……アリババくん」
 このガキ……どこでそんな台詞覚えた。
 ああ、もう! これはアラジンじゃない! 俺の可愛いアラジンじゃない!
 嫌なはずなのに。痛いはずなのに。
 それなのに――アリババも反応している。
「ふふ、傷めつけられるのにたっちゃうなんて……イヤラシイ体してるね。アリババくん」
「うえぇ……抜けよ……畜生……」
 アリババは泣いていた。
「もっと泣きなよ、アリババくん……アリババくんの体ってすごいね。締め付けられて気持ちいいよ。シンドバッドのおじさんに仕込まれたのかなぁ」
「ち……ちが……」
 後は言葉にならなかった。秘処が裂けるように痛い。
「僕……もうイきそうだよ……」
 アラジンは抽送を早める。そして――ぐん、と力強く貫くと同時にアリババの中に欲望を放出した。続いてアリババも白濁した液を放つ。
(お、終わったの、か……?)
 アラジンはすっきりした顔をしている。
「良かったよ。アリババくん」
 戻ってる。いつものアラジンに!
「僕、シンドバッドのおじさんにアリババくんを取られたくなかっただけなんだ」
「アラジン……!」
「だって、僕もアリババくんのことが世界一好きだからさ!」
「うっ……」
 その台詞でアリババは泣き出した。
「い……痛むの?」
「そうじゃなくて……さっきの言葉、嬉しくて……」
「じゃあ、もう一回させてくれるね」
 にっこりするアラジンとは対照的に血の気の引いたアリババ。
「それとこれとは別だ~! 助けてくれ~!」

 アラジンとアリババは宮殿の廊下を歩いていた。
(腰がいてぇ……見えないところも痛いぜ畜生……)
 アリババは密かに毒づいた。アラジンは満足げだったが。
 アリババが腰をかばいながらアラジンについて行くと、モルジアナとばったり会った。
「あ……」
「やぁ、モルさん」
 アラジンが片手を上げる。モルジアナは鼻をひくひくさせた。
「アリババさん、アラジンさん、今までどこにいたんですか?」
「いや、なに、ちょっとね……」
 アリババがなんとか誤魔化そうとする。
「僕の部屋だよ!」
 アリババがアラジンの方に目を向けると、アラジンは満面の笑みを湛えていた。
「――今度はアラジンさんと……アリババさんて意外と節操ないんですね」
 そう言うとモルジアナは二人の間をすり抜けて行った。どこか怒っているように見えた。

後書き
mixiで話したこともあるアラアリの刑。
アリババったら、アラジンが出て来た途端にヘタレになっちゃうんですもの。
一応シンアリ小説『こんなのはじめてだろ?』の続きです。
2013.1.30

BACK/HOME