猫獣人たかお番外編 6
※18禁注意
真ちゃん……いつ見ても美形だにゃあ。どんなに見ても見飽きないし。にゃあ……オレ、真ちゃんのこと抱きたいよ。いっつもオレが抱かれてばっかなんだもん。オス同士だから子供はできないけど――好きだよ、真ちゃん。
「どうした? かずなり」
いつもはガラス玉めいた真ちゃんの翡翠色の目に欲情の炎が見える。
――真ちゃん、エッチしたいんだ……。
「あのね……真ちゃん……」
オレ、ちょっともじもじ。台詞を紡いだらちょっとかすれ声になった。
「オレね……真ちゃんのこと抱きたいんだ……」
「何だ? オレに抱かれるのは不満か?」
「そうじゃないんだけど……真ちゃんばっかずるいな、と思って。オレだって男なんだもん」
「そうか……」
真ちゃんは上を向いたり横を向いたりして長らく考え込んでいたが――。
「まぁ……お前がじゃんけんに勝ったら抱かれてやっても良いのだよ」
と言ってくれた! けどにゃ~、真ちゃんめ~。オレが真ちゃんにじゃんけんで勝ったことないの知ってるくせに~。
でも、条件は飲むよ。オレにだって負けられない勝負はあるんだからね。――そして、オレはじゃんけんに勝った。
「やったやったー。真ちゃんのこと抱ける~」
「くっ、何故だ。人事を尽くしていたはずなのに……」
ふふん。真ちゃんは人事を尽くしているかもしんないけど、オレには気迫があったもんね~。
「ベッド行こうベッド。服脱いでね~」
「シャワーぐらい浴びさせろ……」
真ちゃんがバスルームに行っている間、オレはわくわくしながら待っていた。耳も尻尾もぴこぴこ。あっちの方もぴくぴく。オレサイズのコンドームもこの日の為に用意して良かった♪
うっれしーなー。真ちゃんのこと抱ける~。いつもはオレばっか泣かされてたんだもん。真ちゃんはどんな声で泣いてくれるかな。
「お待たせ……なのだよ」
にゃっ! 真ちゃん!
バスローブ姿が艶めかしい。眼鏡を外した顔も綺麗。ああ、この真ちゃんがオレのものになるんだ……。オレ、男役の経験はないけど、真ちゃんがいつもやってるようにすればいいよね。
真ちゃん……いい匂い……。
「何か変な感じなのだよ……」
「真ちゃん、緊張してるの?」
「女役は初めてだからな――かずなり。コンドームはあるか? もう既に用意してある? そうか――それから、一回だけだからな」
「はーい♪」
真ちゃんのリクエストで電気は消したまま。抱かれる己の表情が見えないように、とかだったらオレに対してはあんまり意味ないんだけどね。オレ、猫だから夜目がきくし鷹の目もあることだし。
オレ達はベッドに座ると、ちゅ、ちゅ、とバードキスをし始めた。それから濃厚なキス――。
オレは真ちゃんのバスローブをはだけた。シャンプーとボディソープの匂いがする。オレも一糸まとわぬ姿になった。
キスマークつけようかな、と思ったけど、つけ方わかんないし、真ちゃんの綺麗な肌をそのままにしておきたかったので、今回はパスすることにした。真ちゃんの肌はきめ細かい。
オレは真ちゃんの乳首を丁寧に舐めた。真ちゃんの乳首、綺麗……。
「ん……んん……」
真ちゃんが喘ぐ。でも、オレのようには簡単に乱れてくれない。そこんところも好き。
オレの舌は真ちゃんの下半身へと辿って行く。オレも完全に勃っちゃいそう……。でも、まだまだ。オレは首を擡げて来た真ちゃんのモノをゆるゆるとしごく。いつもこれがオレの中に入ってたんだね。真ちゃん、大好き……。
「――うっ!」
オレが真ちゃんのを咥えると、真ちゃんが呻いた。ん、いい声。オレはあまり歯を立てないように真ちゃんのを舐める。
「か……かずなり……」
真ちゃんの声に艶が混じる。フェラはやったことあるから要領はわかってるんだ。その時は、かずなりは上手いのだよ、て、褒めてくれたよ。真ちゃん。
「真ちゃんの、おいひい……」
「口に入れたまま喋るな……うう……」
真ちゃん……真ちゃんのアレが、一段と大きくなった。
「ああっ。かずなり……っ!」
びゅく、びゅくと真ちゃんが射精した。ん。美味しい。真ちゃんのモノを舐めていると、真ちゃんのがまた勃ち上がってきた。もう……さっき出したばかりなのに……。
「真ちゃん、こんなにしちゃってはしたないんだ」
「……かずなり。そんな言葉責めどこで覚えたのだよ」
「真ちゃんから!」
もしくは真ちゃんの読んでいるエロ本から。
「穴があったら入りたいのだよ……」
「オレは穴があったら入れたいのだよ!」
オレは真ちゃんの語尾を真似した。
「わかったのだよ。――ローション使え」
真ちゃんのローションは机の中にある。オレは既にローションを取り出していた。オレはぐい、と真ちゃんの脚を上げる。
「真ちゃんて、処女なの?」
「ばっ……何てことを! ……そうなのだよ。女役は初めてだと言ったろう」
「でした。じゃあ、真ちゃんの初めて、オレのなんだね」
「ああ……」
でも、オレの処女だって既に真ちゃんのものだもんね。
真ちゃんのお尻の穴はピンク色してる。オレは戯れに指でぷに、ぷに、と押しては戻す。意外と弾力あるんだー。爪は立てないようにする。間違って飼い主(真ちゃん)を引っ掻くことがないように一応切ってあるけど。
「真ちゃん、お尻の穴も綺麗……」
オレのはどうだったかな。猫の時はどうだったかな。黒い毛の周りに紅がかった色の穴があったことは何となく覚えているけど。だって、オレ黒猫だもん。
「うう、それはお前の方が……」
真ちゃんは何か言いたそうだ。オレのはこんなに綺麗じゃないと思う。獣人になってからは見たことないけど、多分、真ちゃんの方が綺麗。オレはペロンとそこを舐めた。――そういう汚いことをするのではないのだよ、と叱られた。
「オレのは汚くなかった?」
「汚かったら挿れないのだよ……」
そうだね。真ちゃんはいつも挿入する方だったね。でも、今日は挿入するのはオレ。オレは真ちゃんの顔を盗み見る。オレには真ちゃんの表情もばっちり見えるんだ。
「早くするのだよ……」
「んー。今の真ちゃんの顔も、このままもっと見ていたいんだけどにゃあ」
と、言ったら、真ちゃんは腕で顔を覆ってしまった。イジワル。でも、恥ずかしがってるようで、これはこれで可愛いな。萌えってこういうののこと言うのかな。
「早く……」
「ん、わかった」
オレはローションを取り出して体温で温め、真ちゃんのアナル(って言うんだよね)を解す。真ちゃんがいつもやっているように、慣らす為に段々に指の本数を増やす。探っていくと時々いいところを掠めるらしい。
「んん……かずなり……かずなり……んっ……」
真ちゃんが心ならずも、といった感じで啜り泣く。顔を覆っていた腕が力を失ってぱたり、とベッドの上に落ちる。真ちゃんの声、大好き。いつもの声も好きだけど――こんなにセクシーな声が出るとは思わなかった。ああ、オレ、イッちゃいそう……。オレはさぞかしオスの顔つきをしていたに違いない。真ちゃんが汗まみれになってる。たまらない。真ちゃんの反応が快くて、指で何度もそこを責める。でも、オレもそろそろ限界。
「待ってて」
オレはコンドームを装着する。準備オッケー。
「挿れるよ、真ちゃん……」
オレは真ちゃんがいつもするように耳元で囁いた。真ちゃんが「来るのだよ……」と小声で応えた。そしてオレの背中に腕を回す。
ちょっとキツい……。そっか。真ちゃんはネコは初めてなんだっけ。オレはいっつもネコだけど……ネコ役の猫! ……なぁんて、伊月センパイより下手なダジャレかもね。
オレは体を進めた。傷つけないといいけど……。
真ちゃんのよりは小さいけれど、オレだって一応イチモツというものを持っている。でも真ちゃんが相手だから、いつもよりおっきくなってる。真ちゃんがまた声を出した。
ん。よし、入った。
オレは、いつもの真ちゃんの真似をして動いた。真ちゃんがオレのを締め付ける。真ちゃん――涙で顔がぐちゃぐちゃになってる。瞳は潤んでるし口元は弛緩している。こんなに乱れた真ちゃんが大好きで、愛おしくて――。
「ん、ん……」
「真ちゃん、真ちゃん……!」
にゃあ、にゃあ……オレの声は半ば悲鳴に近くなった。ああ、好きな人を抱くのがこんなに気持ちいいなんて! 真ちゃんのこと、また次も抱きたくなってきたよ。でも、真ちゃんのことだから、何のかんのと理由をつけて、またオレが抱かれる方になるに決まってるんだ。真ちゃんとは長い付き合いだからね。真ちゃんの性格はわかってるつもり。
さざ波のように快感が襲ってくる。
「あ、あ……」
「かずなり……抱かれているのはオレなのに、お前の甘い鳴き声を聞いてると、お前を犯しているような気分になるのだよ……」
うん。オレも何か真ちゃんに犯されてる感じ――。真ちゃんが微笑んだ。まだ汗や涙は乾いてないけど。オレ達はまたキスをする。
「真ちゃん。オレ、もうイクから……」
「ああ。オレも……一緒にイこう。かずなり」
真ちゃんはオレのを一層強く締め付けた。
「にゃああ――」
オレは意識を飛ばしてしまいそうなほどの快感を得て果てた。殆ど同時にオレのお腹に熱い液体がかかった。真ちゃんもイッたんだ。なんか、嬉しいにゃあ……。
「ねぇ、真ちゃん……オレ、また勃ってきたんだけど……」
「一回だけだと言っただろう。でも、お望みとあれば抱いてやってもいいのだよ」
目元をぬぐった真ちゃんがニヤリと笑う。真ちゃんってばほんとイジワルなんだから! オレが真ちゃんを抱きたいの知ってるくせに。――でも、抱かれるのも気持ちいいからにゃあ……。ああ、オレ、困っちゃうよ……。
後書き
今回は高緑です。
でも、緑高に見えるのはどうしてか(笑)。
だけど、抱かれる真ちゃんはなんか可愛いです。たかおの気持ちがわかるかも。
2017.9.9
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