猫獣人たかお番外編 5

※18禁注意

「ねぇ、真ちゃん」
 オレは真ちゃんにこてんと頭を預けた。
「何だ? かずなり」
「――しよ?」
「いいのか?」
「うん。だってオレ、真ちゃんの性奴隷だもん」
「お前は性奴隷ではないのだよ。でも、据え膳食わぬは男の恥と言うからな」
「にゃー、オレだって男だよ」
「ベッドへ行こう」

 濃厚な唇と唇のキスの後、真ちゃんが下の方にちゅ、ちゅ、とリップ音をさせながら移動していく。オレの中心は熱を持っていた。
「かずなり……」
 真ちゃんはそれに指を絡めた。乳首も巧みに弄られる。
「あん、やだ、やめて……」
「誘ったのはお前の方だぞ」
「だって……何か……出そう……」
「早過ぎないか? 我慢するのだよ……」
「あっ、だめ……真ちゃんごめん!」
 そしてオレは――いつもとは違う液体を出した。勢いよく迸り出る。しまった! お漏らししちゃった!
 どうしよう。真ちゃんが呆れて見てる。いや、呆れてるというより――呆然としてる?
「ごめんなさい、ごめんなさい、真ちゃん! オレ、我慢できなかった! お漏らししちゃった!」
 悪い猫、悪い猫。真ちゃんに捨てられても仕様がないよね。だが――真ちゃんはどこかうっとりとした……嬉しそうな顔で言った。
「かずなり。これはお漏らしとは違うのだよ。お前は潮を噴いたのだよ」
「潮?」
「そこまで――感じてくれて嬉しいのだよ」
「真ちゃん……」
 何だか知らないけど、真ちゃんが喜んでくれてオレも嬉しい。お漏らしじゃないようだし、捨てられることもなさそうだし。真ちゃんがぱくっとオレのペニスを咥え直す。快感が体中を駆け巡る。
「あん、真ちゃん……また、出そう……いつものヤツ……」
 真ちゃんは美味しそうにオレのを舐めている。
「かずなり……旨いのだよ……」
「にゃあ……」
「獣人の体液は甘いと聞いたが、本当だな」
 性奴隷にされるのも、それが理由のひとつであるのだと真ちゃんは言った。オレにはどうもよくわからない。自分の体液を舐めたい男なんているのだろうか。
 オレも真ちゃんのは舐めたいけれど――。
「しん……ちゃん……」
 台詞が切れ切れになる。真ちゃん、上手過ぎるよう……。
「にゃっ、にゃっ」
 絶頂が見える。もうダメ――。真ちゃんが口を離したとほぼ同時だった。
「ああっ!」
 オレは――精液を放っていた。真ちゃんの顔が白い液で汚れてしまった。
「ごめん、真ちゃん……」
「ああ……」
 そして真ちゃんは垂れてくる白い液を舐めた。それがとても扇情的で――
(オレが真ちゃんを犯したみたい……)
「真ちゃん、ティッシュ持ってくる!」
「いいのだよ。このままで――」
「でも――」
「かずなりが舐めて綺麗にしてくれるのだろう?」
 そう言って真ちゃんが笑った。
「~~~~!」
 オレは一気に頬に血が上った。真ちゃんて恥ずかしい男だったんだ……。正常位で入れて出して終わりのイメージが強かったから――。
「どうした? かずなり」
 真ちゃんが顔を近づける。甘い匂いがする。こうなったら――えいっ!
 オレは真ちゃんのオレので汚れた頬を舌で舐めた。ふわっと蜂蜜めいた香りがする。――甘い。夢中になって舐めてしまった。
「もう一回イケるか? かずなり」
「にゃあ……うん」
 オレってし盛りなのかなぁ。真ちゃんとだったら何度だってやりたいよ。
「今度はもっとよく味わわせてくれ――」
 腰に来る声でそう言ってから真ちゃんがオレのペニスを再び咥える。
 ――ちょっと真ちゃんの気持ちがわかるような気がした。オレも同じこと真ちゃんにしてみたい。
 それから、オレはまた射精した。こくん、と飲み干してから真ちゃんは言った。
「御馳走様なのだよ。かずなり」
「――真ちゃんまだイッてないんじゃ……」
「ああ。お前の下の口を味わわせてくれ」
 真ちゃんはオレの耳元で呟いた。
「お前の下の口は絶品なのだよ」
 オレは意味はよくわからなかったが、いやらしいことを言われたことはわかった。真ちゃんはムッツリなのだ。
 真ちゃんが指でオレの穴をほぐしていく。程よく熟れたところで、真ちゃんはおもむろに貫いた。
「にゃっ!」
 真ちゃんのモノが奥深くを貫く。背筋に電流が走った。耳と尻尾がぴくぴく動く。オレの体から汗がぶわっと出てきた。真ちゃんは動きを止めて、オレの顔中にキスをする。勿論、唇にも――。真ちゃん、キス上手くなった。
「真ちゃん……真ちゃん……」
 相手の名前を呼びながら、オレは真ちゃんにしがみついた。そろそろと抜かれると物足りなさを感じる。そしてまた挿入の衝撃! 緩急をつけて……。
 オレの中心も天を仰ぐ。
「にゃっ、にゃっ!」
「可愛いのだよ、かずなり――」
 そんな、真ちゃんの方が可愛いのに――可愛いと言うか、凛々しいというか。オレはさっき、真ちゃんの綺麗な顔にぶっかけてしまったのだ。我ながら失敗した――と思う。けれど、精液に塗れた真ちゃんもとても綺麗で――。
 オレが頂点に達した時、真ちゃんも熱い欲を迸らせた。気持ち良かったけど、オレは思った。
 真ちゃん、ずるい。
 オレのことばっか気持ち良くして、ずるい。
「真ちゃんはずるい」
 オレは口に出して言った。
「どうしてなのだよ?」
「わかってる? オレだってオスなんだよ。真ちゃんをめちゃくちゃにしたい。汚してやりたい」
 真ちゃんは嘲笑めいた笑みを浮かべた。
「その可愛い一物でか?」
 うう、何だよぉ……自分の方がちょっと……かなり大きいからって。
「オレだって大きくなるもん」
 オレが言うと――真ちゃんが全開で笑った。しかも大声で。にゃっ! カメラカメラ! スマホどこ? どうした?と真ちゃんが訊いた。
「真ちゃんの可愛い笑顔、撮りたかったの。レアものだったのに」
 オレの耳がしおしおと垂れた。
「レアものと言われるほど、オレの笑顔は珍しいか?」
「あう……さっきのようなのは珍しいの。でも、オレといる時、真ちゃんは優しい目をしているよ」
「そういえば、かずなりといる時は優しい目をしていると、カントクにも言われたのだよ」
 にゃあ……リコさん、見る目ある……。
 何度も角度を変えてキスをしながら、真ちゃんは、「またしたくなったのだよ……」と言った。
 真ちゃんがこんなに絶倫だなんて思わなかった。初体験の前はなかなか手を出さなかったものだから……。
 明日腰が筋肉痛で痛くなることを覚悟しながら、オレは頷いた。誘ったのはオレなんだから――。
 真ちゃんはオレの身の上を心配するけど、こんなはしたないこと、真ちゃんが相手じゃなきゃしない。
 いつか、真ちゃんのことを体も心も満足させられるような猫獣人になるね、オレ。
 まず、心配かけさせないようにしなくちゃあ……。

後書き
真ちゃんのキャラ崩壊! ……たかおはまぁ、今更ですね。
真ちゃんはもうとっくに心も体も満足していると思います。
私の書く真ちゃんはデレが多い! けれど、それもたかお……ううん、高尾ちゃんのせいであると思っています(笑)。
2017.8.10

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