Sweet kiss 7

 今日は三橋の親が帰ってこないということで、泊まりに来たんだが。三橋は……期待してるんだろうか?
 先週のことは……思い出したくもない。あの絶好のチャンスに、しかも三橋の半裸を目の前にしながら……勃たなかった……。

「あ、阿部君?一緒に、寝ない、の?」
「あ、ごめん。ぼーっとしてた。」
 三橋の隣に横になって抱き寄せると、三橋がすり寄ってくる。やっぱりこいつ、すごく可愛い。
「あ、あのね。お、俺、阿部君にはすごく感謝してるん、だ。」
 そういって三橋は体を起こした。
「だから少しでも返したいん、だ。」
 いきなり俺のズボンに手をかけた三橋にびっくりしたが、そう思ってくれてるのは嬉しい。
「あの、初めてだから、うまくできないと思う、けど。」
 大胆な行動に出た割には、三橋の手はふるえている。三橋が緊張してるのがわかったら、なんだか俺の方は肩の力が抜けた。
 三橋が恐る恐る俺のをくわえる。三橋の舌が触れた途端、俺のが一気に勃ち上がった。
「あ。」
 三橋が驚いたような、ほっとしたような顔をする。こいつ、俺のことインポだとか思ってたんじゃないだろうな。
 三橋がペロペロなめ始めた。
「ふ……。」
 思わず声が漏れる。必死に舌を使う三橋がかわいい。
「三橋。」
 声をかけると上目使いに見上げてくる。
「も、いいから。」
「え?気持ちよく、ない?」
 三橋の目が不安げに揺れる。
「すげぇ気持ちいいよ。だけど、今日は挿れたいんだ。ダメか?」
「入れる?」
 三橋はきょとんと首を傾げた。あ……。こいつ、知識がない?
「あのな。」
 俺は三橋を抱き寄せた。背骨に沿って背中をすーっとなでる。尾骨の下の、双丘の狭間の窄まりまで指を滑らせると、三橋がビクッと体を固くした。
「ここに、挿れたい。」
「ここ?」
「そう、ここに挿れて、お前が俺のものだって感じたい。」
「俺が、阿部君の、もの?」
「そう、それで、俺もお前のものだ。」
「阿部君が、俺の?」
「そう、嫌か?」
「い、嫌じゃない、よ。」
 嫌じゃないと言いながら、三橋の顔は青ざめていた。
「俺も初めてだから、うまくはできないと思うけど、できるだけ痛くないようにするから。」
「わ、わかっ、た。」
 カバンからローションを取り出す。ふたを外すと甘い匂いがする。いよいよだ。いよいよ、三橋が俺のものになる。
 三橋をうつぶせにして、ローションを指につけてみる。そのまま、そっと三橋のそこに触れる。三橋がまたビクッと体を固くした。
「指入れるぞ。」
「う、うん。」
 指をゆっくり差し込むと三橋が小さく声を上げた。
「痛っ。」
 えっ!? 指一本入れただけだぞ! とにかく、慣らすんだよな。
ゆっくりゆっくり指を抜き差ししてみる。少し緩んだような気がするが、どうだろう?
「三橋、もう一本入れるぞ。」
 三橋は無言で頷いた。気持ちいいって顔じゃない……。慣らすって、こんなところでいいんだろうか?指を引き抜くと俺は最終確認をした。
「三橋、挿れてもいいか?」
「うん……。」
 逸る気持ちを抑えて、自身をあてがう。深呼吸してグッと体重をかけた瞬間、
「アイタッ!!」
 三橋が悲鳴を上げた。
「三橋、力抜いてくれ。入んねーよ。」
「無理……。う……。痛い!!痛い!!痛い!!痛い!!もう勘弁して!!」
 ここまで痛がってるのに無理強いできるほど鬼じゃねえ……。どうすりゃいいんだ……。

Tomokoのコメント
山之辺黄菜里さんからいただいた小説です。阿部の誕生日おめでとう文です。
今回もまた、本懐を遂げることができなくて、残念でしたね。阿部。でも、汚名は返上することはできましたよね。
知識のなかった三橋もなんか可愛いです。あの行為が痛くなくなる日は来るのでしょうか。
このシリーズ、とっても気に入っています。どこまで続くのか、楽しみです。8も心待ちにしています。
黄菜里さん、ありがとうございます。
2009.12.16

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