続・兎と虎のカプリチオ 18禁注意。読みたい方はスクロールしてください。 「ただいま」 「よぉ、バニ―」 「虎徹さん!」 バーナビーは突然ハグをしてきた。 「どうした? 甘えっ子モードか? 楓が機嫌良かったんで、俺も気分いいんだ。もう何でも聞いちゃうよ」 「あのですね――ファイヤーエンブレムさんに、僕が虎徹さんに対して本気かと聞かれました」 「んで、どう答えた」 「本気だ、と答えました」 「おいおい、バニ―ちゃん。冗談言っちゃいけないよ、誰がこんなくたびれたおっさんを――」 「虎徹さんはくたびれてはいません。プロポーションだって良いし、いい顔してるし、感度だって……」 「わかった、わーかった。……おまえ、随分変わったよなぁ……前はスカした顔して『おじさん』って蔑んでたじゃねぇか」 「その時の僕をゴミ箱に投げ捨てたい!」 「――バニ―ちゃんがこんなにデレるとは思わなかったよ。なんかケツの辺りがむずむずすんだけど」 「誘ってるんですか? 虎徹さん! 誘っているんですか?」 「スカイハイじゃないんだから、二度言うな」 「僕はもう、貴方と一緒に寝ることが楽しみで……」 「はいはい。わかったよ」 ぎゅうっとバーナビーに強く抱き締められた虎徹は苦しそうにもがいた。 「虎徹さんだけです。僕は永遠に貴方を愛します」 「永遠か……」 虎徹が呟いた。 「あのな、バニ―ちゃん。俺の年になると先が見えて来るんだよ。簡単に永遠なんて言葉、信じられねぇ。だから、精一杯今日を生き抜くのみよ」 「そうですか……じゃあ、今、この瞬間を楽しみましょう」 「だな――ありがとよ」 「僕の方こそ」 そして、バーナビーはお姫様抱っこで寝室に虎徹を運んで行った。 「虎徹さん。マヨネーズばかり摂取してると太りますよ」 「んなに重いなら降ろせ!」 「いえいえ。僕なら軽々運べます」 バーナビーはハンサムスマイルを浮かべた。 バーナビーはキスも巧みになってきた。自分より上手いではないかと、虎徹は感嘆すると同時に嫉妬もする。 くわえてあの裸身。まるで彫像のようだ。 (……非の打ちどころがねぇじゃねぇか、全く) 自分がバーナビ―にかなりべた惚れなのはわかっている。けれど、相手はその数倍、自分に参っているようなのだ。 どうしてなのだかはわからない。ただ、今は目の前の快楽を追うだけ。 「バニ―ちゃん……バニ―ちゃん……バニ―……」 まるで波にたゆたっているようだ。穏やかな時間。二人は口内を貪り合う。 「ん……ん……」 まるで芯までとろけそうだ。虎徹のモノが反応し始める。 でも、自分ばっかり感じさせられるのは不公平ではないか? バーナビーの頭が虎徹の露わになった下半身に近付いていく。そして――。 「? バニ―ちゃん?」 バーナビーは眠っていた。気持ち良さそうに。 ああ、そういえば、この頃出動続きだったからなぁ……バニ―ちゃんも疲れてたんだな。 ファイヤーエンブレムと一緒だったのなら、酒でも飲んでいたのかもいしれない。 虎徹は初めて、バーナビーを可愛いと思った。 でも、このままでは少々辛い。虎徹は体を起こすと、バーナビーの体を改めてベッドに横たえた。 だが――。 (本体は潰れてんのに、こっちは元気なままかよ! ――疲れマラ?) それが一個の生き物のように脈打っている。 さすが若いわ……って、感心してる場合じゃない。 (うわっ。おっきぃ……こんなもんが入ってたのかよ――俺の中に) これが虎徹の中を動いていて、そして――。 虎徹は想像するのをやめた。体が火照って来る。 このままでは目のやり場に困る。これでもし体やシーツを汚したりなどしたら、バーナビーは恥をかくだろう。僕としたことが――なんて。 よし。ここは一発抜いてあげよう。 虎徹はティッシュを持って来た。 「失礼しまーす」 バーナビーの自身は、剥かれた先端が紅色で、男の目から見てもなかなか形よくできていた。 自分のもそう捨てたものでもないと虎徹は日頃思っているが、バーナビーのと比べると男としての劣等感が先に立ってくる。 知らず知らずのうち、虎徹はバーナビーの先端にキスをしていた。 (うわっ! 何してんだ?! 俺……) 我に返って虎徹はがばっと身を離した。 「えーと……やっぱ抜いてやんなきゃつれぇかもなぁ……」 虎徹は、他人の自身を愛撫したことがない。 しかし、そこは男としてのキャリア。どこがいいところかわかってはいるつもりだ。――いるつもりなのだが……口淫は未だに自信がない。 でも、手での技なら自信がある! 伊達に男やもめはしていない! 虎徹はバーナビーの自身を上下にしごき始めた。ピアニストのように指が滑らかに動く。 「ん……んっ」 バーナビーが寝言で呻く。 しまった! 俺まで元気になってきた! 虎徹は自分のまでしごき始める。 とろとろの蜜がバーナビーの先端から出て来る。虎徹のからも。 時々親指でバーナビーの先端を擦ってやる。バーナビーは起きる気配を感じさせない。 「起きないでくれよ~。頼むから」 こんな恥ずかしいところ、バーナビーほどスタイリッシュでなくても普通の男なら見られたくない。 愛撫のスピードが早くなってくる。 (ん……おっ? 出る……か?!) バーナビーの先端が大きくなった。虎徹は慌ててティッシュでそこを押さえた。バーナビーの自身が痙攣する。 ティッシュがどろどろに濡れて行くのがわかる。虎徹は好奇心でティッシュを鼻先に近付ける。嗅ぎ慣れたバーナビーの匂い。いつもより濃厚な匂いだった。しかしそんなに嫌な気持ちはしない。 あ……俺も……! 虎徹は新しいティッシュを取り出して自分のペニスに当てた。そうして自分の欲も放出する。 気持ち良くなかったわけではない。だけど……。 (俺、バニ―ちゃんとしたかったなぁ……) 早く元気になれよ、と虎徹は言い、バーナビーのこめかみにキスを落とした。 数時間後―― むくっとバーナビーが起きた。虎徹はしどけなく眠っている。 「ふふっ。甘いですね。虎徹さん」 実はバーナビーは起きていたのだ。虎徹がバーナビーの自身に愛撫を施し始めた時から。 あんなことされて起きない男なんていませんよ。しかも愛しい相手から。 狸寝入りは疲れた。しかも声を出してしまった。起きていることを知られないようにするのに苦労した。 しかし、虎徹は自分を慰める行為に夢中で気付かなかったようだ。バーナビーが薄眼を開けていることすらも。 「可愛いですね、虎徹さん」 虎徹の頬を撫でながらバーナビーはくすくすと笑った。その笑顔を妖艶と形容する人もいるだろう。 虎徹さん。御馳走様でした。記録ができなかったのが残念だけど……。 「僕が起きている時もこんな風に素直になってくださいね」 取り敢えず今日は眠ろう。バーナビーは幸福に酔っていた。 少し恥ずかしかったのは事実だが――それよりも虎徹の痴態を見られた満足の方が大きかった。 ――やはりバーナビーの方が一枚上手らしい。虎徹は何も知らずに寝息を立てていた。 後書き うふふ。去年書いた兎虎です。つーか、虎兎? 結構気に入っていたりして。 2013.4.29 |