パプワ小咄 『四月一日』

「パプワや~」
 島の長老、フクロウのカムイが、パプワを呼んだ。
 パプワも、もう立派な青年である。
「なんだ? じいちゃ」
「ワシ、もうひとつおまえに嘘をついていたことがあるんじゃ」
「え?」
「おまえの本当の父親、死んだとは言ったが、実はまだ生きとるんじゃ。誰だか知っとるか?」
「だ、誰なんだ……俺の親父というのは」
「それは、元赤の番人、ジャン」
 何ーーーーーーーーーーっ?!
 パプワの脳裏には、涙を流しながら去っていくジャン、ユキノブに乗って戻ってきたジャン、親友にいびられ、ハンカチで涙を拭うジャンの姿が走馬灯のように駆け巡っていた。
 あの男が父親では、かなり……嫌だ。
「なあんちゃって☆」
 カムイは、日の丸センスを取り出した。
「今日は四月一日じゃ。忘れとったかね?」
「じいちゃ……」
 おしまい。ちゃんちゃん♪

 なあんちゃって☆
「俺、リキッドから話聞いてるから、自分の出生知ってるんだよな」
「うーす。パプワの名付け親になったのも、オレっす」
「うむ。感謝じゃぞ。リキッド」
 パプワ、リキッド、カムイの三人(?)は、そろって日の丸センスをかざした。
 今度こそ、本当におしまい。ちゃんちゃん♪

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