サスペンダープレイ
18禁です。お読みになりたい方はスクロールしてください。













































「虎徹さーん。サスペンダープレイっていうのやってみましょう!」
 そう言ったのは俺の相棒、バニ―ちゃん――大人から子供まで誰も知らない者がいないKOHのバーナビー・ブルックス・Jr。
 どういうわけかすごく……俺に懐いている。
 まぁ、俺達恋人同士だもんな。でも、ここんところのバニ―のデレは異常だ。まぁ、実は俺も満更でもないのだけど――。
「おまえ――手に持ってんのは何だ」
「え? サスペンダーですが」
 やっぱり……こいつ勘違いしてるよ。
 バニ―が持っていたのはいわゆるズボン吊りと言われるそれ。
「おまえ……それどうやって使うつもりだったわけ?」
「どうやって使うんですか?」
「おまえなぁ……質問を質問で返すんじゃないよ」
「金具のクリップで虎徹さんのを挟むとか」
 おいおい。
「金具を虎徹さんの中に入れるとか」
 それじゃ凌辱プレイじゃねぇか!
「ちがーう! いいか? サスペンダーというのはなぁ……」
 俺はバニ―にごにょごにょと耳打ちする。
「そうだったんですか……なんか想像すると興奮しますね」
 バニ―は頬を紅潮させていた。
「そういうことなら、早速アダルトショップに行きましょう」
「ま……待て……」
 俺はバニ―を止めようとしたが無駄だった。
 十数分後――。
 俺達はアダルトショップにいた。バニ―は面が割れているので変装用にサングラスをかけていた。
(あれ、ヒーローのバーナビーに似てない?)
(ばぁか。バーナビーがこんなところ来るかよ)
 カップルがひそひそ話をしている。バニ―はどこ吹く風だ。
 こういうところは男前だな、と感心する。
「あ、虎徹さん見てください」
 バニ―が手に取ったのは裸エプロンプレイ用のエプロン。下半分の裾はハート形に象られている。
「――俺は着ないからな」
「ええっ?! 絶対似合うと思いましたのに……」
「こんなオジサンの裸エプロン、萎えるだけだろ……」
「いえ! 虎徹さんの裸エプロンなら萎えない自信があります!」
 バニ―は燃えている。そんな無駄な情熱燃やしたって仕方ねぇじゃねぇか。
 ああ、これがKOHなんてな……全シュテルンビルトの市民が見たら泣くぞ――……楓もな。ついでに言うと俺もちょっと泣きたい。
「いいからそれは返すの!」
「絶対似合うと思ったのに……」
 バニ―はぶつぶつ言いながら元の場所にそれを戻す。
「……まぁいいですか。サスペンダーが僕達を待ってますから」
 サスペンダー……この場合は紐を肩にかけるタイプの男性用の下着。股間の部分がやっと隠れるくらいの代物だ。後ろはTバック風。
「あ、これなんかいいんじゃないでしょうか」
 バニ―はうきうきしながら緑のそれを俺に見せる。
「いいんじゃねぇの」
 俺は既にすてばちだった。

 帰って来ると、俺はバニ―の急かすまま、風呂場でサスペンダーを身に付けた。
 風呂場から出て来ると、バニ―も赤いサスペンダーを纏っていた。
「なっ……おまっ……! おまえまで何でそんなカッコ……!」
「虎徹さんとお揃いにしようと思いまして」
 確かにセクシーで似合ってるが……じゃなくて!
「おまえ、いつの間に自分の分まで……」
「僕も着てみたいなぁ、と」
 彫刻を思わすほとんど裸のバニー。俺が女だったら……いやいや、仮に俺が女だとしたって嫌だぞ! こんなヒーロー!
 でも。思わず見惚れてしまう。
「ところで……これからどうするんですかねぇ」
「知るかよ」
「僕のははちきれんばかりですが」
 確かに、バニ―ちゃんの股間の部分は盛り上がってる。ちょっと辛くねぇかな。
 バニ―が俺に近づいて、みょーんと俺の着ているサスペンダーの紐を引っ張って離した。ぱちん、と皮膚に当たった。
「いてっ!」
 みょーん、ぱちん。みょーん、ぱちん。
「あはは。面白いですねぇ」
「いてぇっての」
「でも、立ってますよ。……乳首が」
 そう言ってバニ―は俺の乳首を舐めた。
「ひゃっ」
「ふふっ。いつ聞いてもいい声ですねぇ」
 俺のペニスも勃ってきた。秘所が紐に擦れて痛い。
「あん……バニ―ちゃん……」
「感度いいですね。もしかして奥さんともこんなプレイを?」
「馬鹿野郎!」
 友恵とこんな変態プレイするわきゃねぇだろ! そりゃ、ちょっとはしたかったかもしんねぇけど……いや、俺は今だって一ヶ所を除けばごく平凡でノーマルな男なのだ。
 即ち、男であるバニ―が好きだという一点を除けば。
 問題はバニ―が変態であるということ。おかげ様で俺も随分開発されちまったよ。
「痛そうですね……でもちょっと我慢してください」
 バニ―は俺の股間を布ごと咥えた。バニ―の動きがダイレクトに伝わる。そりゃ、舌の感覚は味わえないけど――って、何言ってるんだ俺!
「バニ―……ちゃん……」
 股間が濡れるのが気持ち悪い。
「いいですよ。イッても」
 俺から口を離したバニーちゃんはセクシーボイスで囁く。
 う……こんな状態でイケるか!
 と言いたいところだけど、俺もいろいろヤバい。
 バニ―が一際強く俺を吸った。
「うぁぁぁぁぁっ!」
 俺はとうとう達してしまった。
「今度は僕を気持ちよくさせてください」
「うん……バニ―ちゃん……」
 だって、俺だけ気持ち良いなんて不公平だもんな。言いたいことはいろいろあるけど。バニ―は俺をベッドに押し倒した。
 バニ―ちゃんは俺の尻穴の紐をずらす。俺の秘所が露わになる。
「もう、随分ほぐれていますね」
「……おまえ。昨日も散々やったろ」
「それだけでなく……この紐のおかげかな」
 股間の布の部分から取り出されたバニ―のペニスが俺の中に入って来る。
「ああっ! バニ―! バニ―!」
「素敵です……虎徹さん……」
 いつも情熱的な行為をするバニ―だが、今夜は更に燃えている。
 ピストン運動をしたり、グラインドしたり――。
「バニ―ちゃん……痛い……肩が、擦れる――」
「じゃあ、少しずらしましょう」
 バニ―が俺の肘のところまで紐を移動させる。かえって邪魔だ。戒められている気がする。
 だが、それを指摘する余裕もないほど俺も夢中で……。
「バニ―……!」
「虎徹さん!」
 俺達は同時に達した。
「――虎徹さん。まだ足りないのですが……」
「う……」
 実は俺もそうだった。バニ―の赤いサスペンダー姿に欲情して俺もいつもより興奮していることは秘密だ。

後書き
私もバニ―と同じ勘違いをしてました(笑)。
ズボン吊りでプレイだなんて凌辱もいいとこですね。……でも少し書きたかったりして(笑)。
2013.6.19

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