荻原クンと愉快なLINE友 6

黒子が入室しました。
荻原が入室しました。

黒子:こんばんは。荻原君。
荻原:よぉ、黒子。バスケの方はどうだ?
黒子:順調ですよ。ただし……。
荻原:ただし?
黒子:ライバルが現れましてね。
荻原:ライバル? 黒子にプレイスタイルが似ているとか?
黒子:だったらまだいいんですけどね。
荻原:ははぁん。恋の悩みか。
黒子:ええ。まぁ、そうです。
荻原:相手はどんな娘だよ。黒子。それに、ライバルってどんなヤツ?
黒子:二人ともバスケに一生懸命で、恋情なんかにかかずらってる場合ではないことはわかってはいるのですが……。
荻原:へぇ。二人とも女子バスケ?
黒子:違います!
荻原:じゃあ、男バスか?
黒子:はっきり言いたくはありませんが……。
荻原:黒子~。お前はノーマルだと信じていたのに~。
黒子:ボクも……ちょっと前までは……。
荻原:じゃあ、お前、男が好きなわけ? ひくなぁ~。
黒子:すみません。でも、好きになったのは仕様がないです。
荻原:ああ……まぁな。でも、じゃあ本気なんだな。
黒子:はい。本気です。
荻原:もっちーが体育会系にはそういうの多いって言ってたけど……。緑間だって、高尾とデキてるんだろ?
黒子:みたいですね。
荻原:ライバルも男か。
黒子:男です。
荻原:まるでBLだな。
黒子:BLですか……ちょっと読んでみたことあるけど……今時の女の子はああいうの好きなんですかね。
荻原:どうだろ。クラスの女子が騒いでたけど。
黒子:ライバルの子は、熱意があって、火神君からいろいろ教わろうとしています。
荻原:いいヤツじゃねぇか。
黒子:はい。とてもいい子です。一年なんです。
荻原:それって、ただ単にバスケが好きなだけじゃね? ほら、火神ってプレイが派手だから。
黒子:だと思います。
荻原:だったら、あまり考え過ぎなくてもいいんじゃないか?
黒子:でも……。
荻原:心配しなくても、男同士なんて実際にはあんまりないと思うからさ。
黒子:でも、緑間君と高尾君の例もありますし。
荻原:あの二人は特例なの! そう考えた方がいいだろ?
黒子:そうですね。

緑間が入室しました。

緑間:こんばんは、なのだよ。
荻原:挨拶にまで『なのだよ』つけなくてもいいって。
緑間:いきなり文句言われるとは思わなかったのだよ。
黒子:緑間君、高尾君とはどうですか?
緑間:黒子? お前がそれを訊くのか?
黒子:ええ。気になって。
緑間:お前に心配されずとも、高尾もオレも元気なのだよ。
荻原:ズバリ訊くけど、恋のライバルとか出現したらどうする?
緑間:本当にズバリと訊くのだよ……。ライバルが出たら蹴散らすまでなのだよ。
荻原:黒子にね、恋のライバルが出現したんだ。
黒子:ええ、まぁ……。
緑間:黒子、お前に恋愛をする余裕があるとは知らなかったのだよ。では、今年のウィンター・カップは秀徳優勝で決まりなのだよ。
黒子:洛山とか桐皇とかいますが……。
緑間:勿論、あいつらも強敵だ。だが、誠凛も優勝候補なのだよ。
黒子:どうも。真っ裸で告白する気はないもので。
緑間:真っ裸で告白? そういえば、目的を果たせなければそんな罰ゲームが待っていると……。
黒子:ええ。だから、誠凛は今年も死にもの狂いですよ。
緑間:そうか……。秀徳もやってみるのも手かな。
黒子:あまり後輩をいじめないでやってくださいね。
緑間:わかってるのだよ。今のは冗談なのだよ。
荻原:あのー……オレ、忘れられてるような……。
緑間:ああ、すまん。
黒子:荻原君はそういうのなくていいですよね。
荻原:つか、それ、猥褻物陳列罪で捕まらね? 普通はさ。
黒子:それも考えましたが、カントクは本気な人ですからねぇ……。
荻原:ええっ?! それを考えたのって誠凛のカントクさん?!
黒子:そうです。
荻原:誠凛のカントクって、ショートヘアーの美少女だろ? まさかそんなこと考え出すとは……。
緑間:人は見かけによらないのだよ……。
黒子:いえ。言い出しっぺは日向センパイなのですが……。
荻原:日向……眼鏡のクラッチシューターか。あの人も真面目そうに見えたけどなぁ……。
緑間:試合中は口が悪いのだよ。あの人は。
荻原:そんな学校の部活によく入ろうと思ったな。黒子の恋のライバルも。
黒子:誠凛のバスケ部は皆いい人達ですよ。
緑間:秀徳もなかなかいいぞ。伝統と実力があるしな。
黒子:高尾君もいますしね。
緑間:なっ、高尾は関係ないのだよ。
荻原:どうだか。
緑間:じゃあ言うが、高尾と出会ったのは高校に入った時なのだよ。
黒子:へぇ、もっと長い付き合いかと思ってました。
緑間:というか、お前は知っているだろう、黒子。
黒子:忘れてました。お二人がとても仲がいいんで。
緑間:決裂しそうになったことも何度もあるけどな。……ああ、すまん。荻原。
荻原:いいよ。面白そうだ。
緑間:高尾は中学の時、オレ達キセキと戦ったことがあると言っていたが、オレはさっぱり忘れていたのだよ。
荻原:ひでー話。
黒子:いえ。帝光中はいろんな学校を片っ端からやっつけてたんで、いちいち覚えていないと言うか……ボクも高尾君のことは知りませんでしたし。
荻原:黒子もひでー(笑)。
緑間:でも、それが正直な感想なのだよ。
荻原:まぁ、オレも帝光中にはボロボロにされたからな。でも、高尾は可哀想だな。
緑間:知らないところでオレのことを恨んでいたようだったのだよ。あいつは情が深いからな。あいつに恨まれるのは実はオレも怖い。
荻原:後で高尾に言ってやろーっと。
緑間:そう言っても、今の高尾はどうとも思わないだろう。おお、こんな時間なのだよ。じゃあな、お前ら。
荻原:おう、じゃあな。
黒子:おやすみなさい。

後書き
まだ黒バス好きです。母も今は黒バスに夢中です。おお振りも好きだと言ってましたが。
黒子のライバルは朝比奈くんなんでしょうね。
2019.03.15

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