荻原クンと愉快なLINE友 5

荻原:よぉ、黒子。
黒子:お久しぶりですね。荻原君。
荻原:そうだな。また会えて嬉しいぜ。
黒子:はい。
荻原:『VORPAL SWORDS(ヴォ―パルソーズ)』と『Jabbrerwock(ジャバウオック)』の試合観たぜ。凄かったなぁ。
黒子:ありがとうございます。
荻原:まさかジャバに勝つとは思わなかったぜ。お前らのチームが。
黒子:ボクは負ける気がしなかったのですが。
荻原:ははっ、言うねぇ。
黒子:キセキの世代が力を合わせたんですからね。
荻原:それに、火神と黒子も、だろ?
黒子:はい。
荻原:最後の青峰と火神のダブルダンク、凄かったよな。
黒子:あのお二人はバスケでは気が合うんですよ。似た者同士ですかねぇ。
荻原:そっか。黒子もすげぇ活躍したよな。俺、テレビの前で応援してたから声が涸れちゃってさぁ。
黒子:荻原君……嬉しいです。
荻原:やっぱ、お前のパスは最高だよ。
黒子:現状に満足せずに、これからも頑張ります。
荻原:赤司も凄かったよな。本領発揮ってとこだろ。すげぇよな、天帝の眼(エンペラーアイ)。
黒子:後で聞いてみたところによると、もう一人の赤司君からの贈り物だったということです。
荻原:どういうことだ?
黒子:二つに分かれていた赤司君が一つになったんです。
荻原:そっかぁ……あいつ、二重人格だったのか。
黒子:そんな風にあっさり片づけるのもどうかと思いますけど。
荻原:言うようになったじゃん。黒子。
黒子:あはは。
荻原:まぁ、勝って良かったよ。緑間の3Pシュートもあったし、黄瀬もがんばったじゃん。
黒子:紫原君も楽しそうでした。あそこで怪我さえしなければ……。
荻原:そうだな。あの体格で全体重がかかったんだ。痛そうだよな。
黒子:紫原君はあの後、先生に怒られたそうです。
荻原:愛があるよな。
黒子:ええ。
荻原:でもさぁ……黄瀬ってやっぱり凄かったんだな。緑間も。
黒子:緑間君のシュートにはずいぶん助けられました。
荻原:黄瀬のコピー能力にもだろ?
黒子:ええ。黄瀬君には殆ど死角はありませんからね。
荻原:だよなぁ。あの能力には憧れるよな。それにモデルって……羨ましいな。
黒子:ボクは君もいい男だと思いますよ。バスケも上手いし。
荻原:お前の方が上手いじゃんかー(笑)。でも、ありがと。
黒子:キミに憧れてバスケを続けてましたからね。ボク。
荻原:うん、まぁ……キセキにはボロ負けしたけど。
黒子:でも、彼らにも考えるところはあったと思いますよ。皆団結してましたし。
荻原:そう、それ! 以前のキセキは何かバラバラなところがあったように思うけど、あの試合では息がぴったりだったな。何かあったんだろうな。
黒子:それは……。
荻原:どしたぁ? 黒子。
黒子:試合の前、ボク、ちょっと無茶なことしたんです。
荻原:ああ……お前、結構血の気多そうだもんな。意外と。
黒子:ボク、Jabbrerwockのメンバーに抗議をしに行ったんです。
荻原:マジかよ……。
黒子:はい、マジです。『バスケをやるのに資格なんていらない』って。
荻原:まぁ、正論だけどさ……。
黒子:緑間君に『お前は結構気が強いのだよ』と言われました。
荻原:オレもそう思う。
黒子:でも、その後、緑間君に、『でも、お前はオレ達が言いたかったことを言ってくれたのだよ』と言ってくれました。
荻原:うーむ……。
黒子:黄瀬君にも、『黒子っちのそう言うところ、危なっかしいけど嫌いじゃないっス』って。
荻原:黒子は愛されてんな。チームメイトだからかな。
黒子:はい。皆さん、いいチームメイトです。
荻原:オレもそう言うヤツ、嫌いじゃない。間違ってることを間違ってると言える黒子の勇気、見習いたいと思うぜ。
黒子:どうも……。でも、ボクはいつも助けられてばかりで……。
荻原:助けたくなる魅力が黒子にあるんだよ。
黒子:そうでしょうか。
荻原:ああ。ジャバとの戦いでも思ったんだけど、オレも黒子と一緒に戦いたかったな。
黒子:声が涸れる程応援してくれたんでしょう?
荻原:ああ。アレックスと一緒にな。
黒子:近所の人にうるさいって言われませんでした?
荻原:……結構言うよな。黒子って。
黒子:すみません。
荻原:まぁ、悪気はないんだから謝んなくてもいいよ。アレックスはオレよりデカい声で応援してたぜ。
黒子:アレックスさんらしいですね。
荻原:だろ? ヴォ―パルソーズが勝った時は、アレックスに抱き締められてキスされたぜ。
黒子:それは……。
荻原:羨ましくねぇの?
黒子:うーん……ボク、他に好きな人いますし。
荻原:そっかぁ。じゃあ、その人に抱き締められてキスされたら……。
黒子:それは……嬉しいかもしれませんね。
荻原:だろぉ? ああ、良かった。黒子にもそんな相手がいて……。
黒子:照れます……。
荻原:黒子も人並に照れるんだな。
黒子:荻原君……それはどういう意味ですか。
荻原:お前、バスケ以外目に入らない感じだったから。
黒子:バスケは好きですよ。勿論。
荻原:それに、ポーカーフェイスだから。
黒子:ボクだって笑いもすれば怒りもします。まぁ、ちょっと喜怒哀楽のバリエーションが人より少ないかもしれませんが。
荻原:結構気が強いしな。
黒子:ええ。あの時、チームメイトに迷惑をかけるところだったと思いますが。
荻原:さっきお前が言った、ジャバに直訴に行った時だな。
黒子:ええ。でも……皆さん、ボクの為に怒ってくれました。
荻原:ジャバに暴力振るわれなかったか?
黒子:あまりそういうことは考えませんでしたが……確かに振るわれました。
荻原:大丈夫だったのかよ……。
黒子:はい。
荻原:もう少し自分を大切にした方がいいぞ。
黒子:火神君にも後で言われました。
荻原:まぁ、それがきっかけでチームの士気も上がったんだろうけど。
黒子:日本は確かにバスケ後進国ですが、サル呼ばわりされたくはありませんでしたし。
荻原:Strky(スターキー)の試合の時な。動画で観たけど。確かにあまり気分のいい代物ではなかったな。
黒子:ええ……スターキーの皆さんも頑張ったんですし。
荻原:でも、あの不愉快なジャバをお前らがやっつけてくれてすーっとしたぜ。これからも胸を張ってバスケしような。
黒子:はい。

後書き
私は黒バスの映画、結局観なかったんですよね。結構忙しかったし。
もう終わったよね……映画……。
2017.6.25

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