荻原クンと愉快なLINE友 4

荻原が入室しました。

荻原:ふー、腹いっぱい。食いすぎたかな。

黒子が入室しました。

黒子:久しぶりです。荻原君。
荻原:よぉ、黒子。
黒子:元気にしてましたか?
荻原:ああ、元気だよ。だけど……。
黒子:どうしました?
荻原:え? …ああ、多分黒子達には今のところ関係ねぇと思うけどさ。
黒子:何があったんですか?
荻原:こっち(アメリカ)にさ、Jabberwockというチームがいるだろ?
黒子:はい。
荻原:確かにイケメン揃いだし、実力もあんだけど……言いたかないけど、雰囲気が昔のキセキに見える。
黒子:…………。
荻原:ん? どうした? 黒子。
黒子:ボクも……あの人達のプレイは嫌いです。
荻原:ははっ。相変わらずはっきり言うなぁ。んで、相変わらず、いい性格してる。
黒子:どうも。
荻原:まぁ、でも、昔のキセキもあそこまで嫌味なヤツらではなかったな。
黒子:若いですからね。
荻原:…礼儀がなってない、つか、礼儀を重んじすぎるのもあれだけど。
黒子:はい。
荻原:あいつら、本当にバスケが好きでやってんのかな。
黒子:それは…。
荻原:前にもキセキに対してそう思ったことがあるけど。
黒子:はい。でも、今はキセキの皆さんも真剣にバスケに取り組んでいます。
荻原:それは良かった。こんなこと言いたかないけど、オレ、ジャバウォックになんかどす黒いもん感じてさ。
黒子:きっと鬱屈してるんですよ。
荻原:もうすぐ来日すんだってな。
黒子:はい。
荻原:嫌な予感がするぜ…。
黒子:大丈夫ですよ。心配しなくても
荻原:だといいがな。あいつら、素行は悪くても一応実力はあるからな。
黒子:やなチームですね。
荻原:誠凛だって充分つえぇよ。でも、きっとジャバには負ける。
黒子:そうでしょうね。
荻原:あいつら反日家だって知ってたか?
黒子:いいえ。知りませんでした。
荻原:まぁ、あいつらは自分の国に対しても敵意を持っているヤツらだからな。
黒子:いい噂はあまり耳にしませんね。
荻原:おう。アレックスも言ってたぜ。あの悪ガキどもにゃ反吐が出るってさ。
黒子:アレックスさん……。
荻原:アレックスもせっかく美人なんだから、口の悪いの直せばいいのになぁ。
黒子:火神君や氷室サンですらどうにもできなかったんだから、今更無理でしょう。
荻原:投げ出すなよ~(笑)。
黒子:すみません。
荻原:謝んなくていいよ。でもさ、もし、もしだよ……。
黒子:はい?
荻原:あいつら、キセキと戦ったらどうなると思う?
黒子:それはやっぱり……互角以上の戦いになるんじゃないでしょうか。
荻原:だよな。キセキですらやっと勝ちを拾える。そんな相手じゃねぇか?
黒子:バスケに関しては日本は後進国ですからね。
荻原:ジャバがキセキと勝負する日が来るとしたら、オレは喜んでキセキの肩を持つね。あいつら、おもしれーし。
黒子:ボクもです。
荻原:つか、お前ジャバと戦えるんじゃね?
黒子:ボクがですか?
荻原:資格はあると思うぜ。何たって、キセキを倒したんだからさ。それから、お前の相棒の火神にも資格はあると思う。オレ、この目で見たし。
黒子:ウィンター・カップでですか?
荻原:そう。
黒子:あれは君達の応援があったからです。
荻原:青峰や緑間や黄瀬も応援してたな。
黒子:あれ程嬉しいことはありませんでした。応援で元気づけられましたよ。何よりも、君の存在に。
荻原:おいおい。黒子。そんなこと言っちゃっていいのか? 火神が怒るぞ。シットで。
黒子:火神君は理由がわかれば怒りません。
荻原:黒子も火神ビイキだなぁ。
黒子:…どうも。
荻原:ま、いいや。多分、今回の来日では、キセキとガッチンコはしないだろうし。
黒子:……そうでしょうか。ボクはどうも、ジャバの存在が気になって仕方ありません。
荻原:と言うと?
黒子:いつか……この人達はキセキと一戦を交える日が来ると思います。
荻原:ん、まぁな。どっちが強いかオレも気になるところだし。
黒子:でも、それはボク達にとってはチャンスだと思うんです。
荻原:チャンス?
黒子:取り戻せそうでいまひとつ取り戻せていない絆を取り戻すチャンスです。
荻原:そう上手く行くかな。
黒子:チャンスがあればボクは動きます。
荻原:…わかった。お前はいつだってやると決めたことはやる男だった。がんばれ。
黒子:ありがとうございます。
荻原:…あいつら来ねぇな。
黒子:そうですね。
荻原:まぁ、見られても、怒られるか照れられるか…だとは思うんだけどな。
黒子:荻原君はすっかりキセキの皆と馴染んでましたね。
荻原:紫原というヤツとはあまり話したことはないけどな。
黒子:くせ者ぞろいのキセキの中で、彼のユルさは貴重です。まぁ、バスケで敵に回すと怖いですが。
荻原:あの体格だもんな~。
黒子:ひねり潰すよ、が口癖でした。本当にやるわけではなく脅しですけどね。
荻原:…物騒なヤツだな。
黒子:でも、いい人ですよ。
荻原:そうか。紫原とも仲良くなれるかな。
黒子:なれると思います。君は熱血漢だから多少ウザがられるかもしれないけど、それさえ我慢すれば、いい友達になれると思います。
荻原;何か、あんなに憎かったキセキの世代が身近に感じられるようになってきたよ。ジャバともそうなるかな。
黒子:同じ人間なんだから、わかり合えるところもあるんじゃないでしょうか。
荻原:だな。いい噂は聞かないし、実際やんちゃと言うには生ぬるいこともやってるようだけど。
黒子:…ボクは甘いですかねぇ。
荻原:絵空事も実現できる可能性があれば理想になる。お前の理想主義、好きだぜ。
黒子:主義ではないんですが…。
荻原:オレ、お前のバスケ好きなんだ。ジャバにもガツンとぶつけてやろうぜ。『黒子のバスケ』を!

後書き
ジャンネク連載の黒バスJabberwock登場より少し前のシーンです。あんだけ悪役ってヤツらも珍しいですね(笑)。
荻原君は関係ないと思いながら、心のどこかで黒子達はジャバと戦うんだろうなと思っています。黒子も然りです。
2015.6.15

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