渚クンとユウジくん

ユウジ:いよぉ、渚。
渚:ユウジ君。久しぶりだね。
ユウジ:おう。
渚:でも、こうやってLINEで会えて嬉しいよ。
ユウジ:あのさー、渚。俺、渚のこと、ブログで『友達』って書いたけど、あれで良かったか?
渚:うん!
ユウジ:渚と俺はマブダチだもんな。
渚:嬉しいよ。ユウジ君。僕、君のこと騙したことになるんじゃないかって、ちょっと心痛んでたんだけど。
ユウジ:あー、文化祭の時だな。確かにお前が男だって知った時は驚いたけど。またスカート似合うんだもんなぁ。渚って。
渚:うう……クラスメートが僕のこと、男に見えないってさ。
ユウジ:渚ってさ、割とイジられたりするだろ。
渚:……うん。
ユウジ:あー、でも、渚可愛いからなぁ。わかる気するよ。ドレスも違和感なかったしさぁ。とったら俺の彼女にしてやるよ。
渚:ユウジ君まで……。
ユウジ:ああ、うそうそ。俺、彼女出来たから。
渚:良かったね! おめでとう!
ユウジ:でも気が強くてさ。俺が前にぎりぎり合法のハーブやってたって言ったら、最後まで言う前に叩かれちゃって。
渚:それは……。
ユウジ:『んー、でも、友達がやめろって言ってからはやってない』って言ったら、謝ってくれてさ。いい娘なんだぜ。ほんと。
渚:うん。
ユウジ:『私も心配するからやめてね』って彼女がさ。そうそう。俺、酒もやめたんだぜ。大人になってからのお楽しみってことで彼女と約束したんだ。あんないい娘が彼女になってくれたのは、渚のおかげなんだぜ。
渚:ほんと?
ユウジ:自分の欠点も弱点も武器に出来る男ってかっこいいんだって。男を感じたんだって。渚を真似しただけなのにな。俺、渚のおかげで生まれ変わったよ。
渚:ど……どうも。
ユウジ:俺さ、親のことコンプレックスだったんだけどさ、なんか、そんなことで悩んでいる自分がアホらしくなってさ。
渚:ユウジ君は強いよ。
ユウジ:彼女とはこの間キスまでしたぜー。渚はどうよ。
渚:あ、うん、僕も……。
ユウジ:マジでか! 良かったな!
渚:でも、成り行きっていうか、なんというか……。
ユウジ:あっれー? 渚って意外とムードに流されるタイプ?
渚:うーん……その時はそうしなければ、と思ったから。
ユウジ:だよなぁ。男って、ここぞって時に決めなければならない時、あるよな。
渚:その娘は怒ったんじゃないかって、思ってたけど。
ユウジ:渚にキスされて怒る女なんていねぇと思うけど。レズの女にされたみたいで、怒るに怒れないんじゃね?
渚:ユウジくん!
ユウジ:嘘だって。渚は立派な男だよ。俺の人生観変えるくらいにな。
渚:時々イジられるけどね(笑)。
ユウジ:渚がキスした相手は男かな、と思ったんだけどさ。
渚:ユウジくーん……(泣)。
ユウジ:だから冗談だって。可愛いよなー、渚って。女だったら彼女にしてたわ。
渚:言っとくけど、僕だって男なんだからね!
ユウジ:はいはい。
渚:その娘とは仲良くて……前から好きは好きだったんだけど……。
ユウジ:ちゃんと告白したのか?
渚:ええっ?! そんな余裕なかったし!
ユウジ:キスしてんのに告白しないなんて、渚って意外と……
渚:ああ、言わないで。僕も悪かったって、反省してんだから。
ユウジ:……渚って人たらしだよな。その娘も絶対渚に惚れてるぜ。
渚:う……どうしてそんなこと言えるの?
ユウジ:渚は俺の初恋だからな!
渚:うう……。
ユウジ:ところでよ。お前の彼女、芸能人で言えば、誰似? 俺の彼女は磨瀬榛名似だけどよ。
渚:僕の好きな娘も……そうかな。
ユウジ:マジか! 好み似てんな。俺ら。
渚:……うん。
ユウジ:磨瀬榛名本人にも声かけたことあるぜ。結局フラれたけどな。
渚:ユウジ君は、芸能人の友達も多そうだね。
ユウジ:今度紹介してやんよ。みんな渚のこと気に入ると思う。
渚:ありがとう。
ユウジ:でも、渚に好かれた娘は幸せだなー。告白する前にキスしたって言っても、渚のことだから、絶対訳あると思うんだ。
渚:ユウジ君……。
ユウジ:それに、渚の知り合いもいろいろ訳ありみてぇだし。
渚:…………。
ユウジ:俺にも正体明かせないヤツら? なら、それでもいいよ。俺にだって訳ありのダチいっぱいいるしさ。
渚:ユウジ君て、優しいね。
ユウジ:おう。俺達、マブダチだもんな。
渚:うん。
ユウジ:いつか、Wデートしようぜ。その前に、渚はその娘にはっきり告ること。
渚:うん。僕、何だか自信がわいてきたよ。
ユウジ:だろ? 渚はいい男なんだからさ。
渚:……ありがとう。
ユウジ:渚ぁ、フラれたら俺に言いなよ。いい娘紹介してやるぜ。あ、男の方がいい?(笑)
渚:ユウジ君まで僕のクラスメートみたいなこと言って……。
ユウジ:クラスメート……男でも、渚のことが好きなヤツいそうだな(笑)。
渚:まさか!
ユウジ:はいはい。冗談だって。……渚って、周りの奴ら楽しそうだよな。
渚:うん。みんないい人だよ。
ユウジ:もっと、渚のこと知りてぇな。すごく楽しいんだろ?
渚:うん。いろんな人達と仲良くなったし。
ユウジ:俺も渚に出会えて良かったぜ。何か困ったら俺に言えよ。親父のおかげで人脈だけはあるからさ。
渚:僕も、ユウジ君に会えて良かった。
ユウジ:あの時さ……渚に会えなかったら俺、ドラッグ廃人一直線だったな。テレビにもデカデカと報道されてよ……親父達に迷惑かけるとこだった。
渚:お父さんのこと、ちゃんと考えているんだね。
ユウジ:あんな親でも、一応親だからな。
渚:僕もさ、母さんに価値観押し付けられてるって思ったことあったけど、ちゃんと向き合って話してみたら、わかってくれたよ。
ユウジ:渚の母ちゃんなら、美人なんだろうな。
渚:うーん。よくわからない。
ユウジ:俺もこないだ、親父と腹割って話したんだ。……女子アナのケツずっと握ってたのはうそだってさ。
渚:やっぱり(笑)。
ユウジ:俺の気を引く為の方便だったんだってさ。ほんとかうそかわからないけれど。
渚:ユウジ君のお父さんて、ケツに恨みでもあるのかと思っちゃった(笑)。
ユウジ:こういうワイ談ての? そういうことに興味を持つ年頃だから理解を示さなければとか何とかカウンセラーに吹き込まれたらしくてよ。俺の親父もいい加減不器用だよな。
渚:あはは。
ユウジ:親父も笑ってたぜー。偉大な親だって皆は言うけど、俺から見たらただのスケベ親父なんだから。渚の親父はどんなヤツ?
渚:うーん……争いが苦手な人、かな?
ユウジ:草食系か。渚と同じで。でも、渚って芯は強いよな。
渚:お父さんは僕達と離れて暮らしてたけど、今、お母さんとよく話しているようだから。もしかしたら帰って来るかもしれない。
ユウジ:そっかー。お互い、親では苦労するよな。あ、もうこんな時間。じゃあな。渚。話せて楽しかったぜ。恋に進展があったら教えてくれよ。そういう話、俺、大好きだからさ。
渚:わかった。恋の話が好きだなんて、僕の担任と一緒だね。僕も明日学校だから。またね。

後書き
暗殺教室の二次創作。渚クンとユウジくん。
以前書いたのだから、原作とは設定とか少し違います。
渚クンと茅野さん、いつかは上手く行くといいんだけどね……。
2017.12.25

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