『黒バス』小説『だるだる』

はぁ~、だり~。
米食わねぇと調子出ねぇぜ~。
もうちょっとしたら良からマイちゃん弁当もらってくっか。
あ~、ヒマだ~……。
……せめてテツの選んだ新しい光、火神ってヤツだけでもオレを楽しませてくれたらな……。
あ~、たり~……。
せっかくバスケ部に入ったのに何だよ、この倦怠感。
オレ、何しにここ入ったんだっけ?
ちょっとは面白いヤツかもしれん、と思ったのは今吉と良だけ。
試合で本気出さねぇヤツとオレより弱い口だけ野郎には興味ねぇんだよ。
……さつきがいなかったら事件起こしたかもな、オレ。
でも、アイツはテツ命だし。まあ、アイツのおっぱいは好みだけど、オレにはマイちゃんがいるし。
テツ……か。
テツはオレが唯一認めたプレイヤーだ。だから……火神なんてヘボと組んだのが許せねぇ。
なぁ、テツ。オマエ、言ったよな。
『青峰君よりすごい選手なんてすぐ現れますよ』
って。
オレより強ぇヤツなんていつ現れんだよ。
オマエだったらなれっかもしれんけど……いや、ダメだわ。オマエとはタイプが違う。
正直火神っていうのにはちょっと期待してたんだわ。オレ。でも、やっぱ弱過ぎてダメだった。
オレ達、あの頃には戻れないんだな。
はぁ~、たり~……。
「大ちゃん」
オレのことをそう呼ぶのは幼なじみの桃井さつきしかいねぇ。さつきも人前では『青峰君』だけど。
確かに可愛いし、おっぱいもでけぇけど、テツの後ばかり追いかけてるしなぁ……。
「……さつきか、何しに来た」
わざわざ屋上に来たのか……寝転がったままきいてやる。
「まだ……昼休みとか放課後とか、練習する気にならない?」
「ああ!行って何するんだよ!弱いヤツ相手に」
「そっか……まだそう考えてるんだ……」
「あたりめぇだろ」
「それから、きくだけ無駄だろうけど授業は?」
「……出るわけねぇだろ」
「……やっぱりね……じゃ私もう行くね。大ちゃんの分もノートとっとくから」
「待てよ。これから寝る。メシどきになったら起こしてくれや」
「えっ、寝るってちょっ!もう……仕方ないなぁ……」
なんたかんだ言って付き合いいいよな。さつきのヤツ。オレもさつきも互いに恋愛感情はないのはもちろんだけどな。
テツがいなかったら彼女にしてたかもだけど。……いや、やっぱよすわ。こいつの料理は料理じゃない。オレはもっと家庭的なオンナが好みなんだ。オレだって命は惜しい。
「……変わったね、大ちゃん」
「どこがだよ……」
「前はヒマさえあればバスケに熱中してたのにね。練習も欠かさず出てて」
あー、そういうことか。
その続きはきっと『テツ君ともぴったり息が合って』……か。こいつはきっとまだテツに夢中なんだろうなぁ……まぁ、いいけど。
さつきとオレって結構微妙な関係だよな。さつきだってテツと同じ学校へ行きゃ良かったのに。
さつきは何も言わなくなった。眠気が襲ってきたのでオレは目を閉じた。

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